 |
消防隊員として活躍
JA管内有数の果樹産地・藤山町に生まれた博之さん。梨やブドウなどの果樹類を主に生産していた和智家の長男として、幼いころから農業に触れていたが、中学時代に父が他界。一家の大黒柱を失い、果樹生産をやめて米づくりに専念した実家を、支えてきた。
浮羽工業高校土木学科(現在は閉科)を卒業後、久留米消防署に就職。消防隊や救急隊の一員として活躍しながらも、57歳で退職するまで二足のわらじを履き続けた。
タケノコなどを生産
12月末から3月末までの期間、JA藤山梨集荷場にタケノコを出荷している。気をつけているのは、土づくり。やわらかくしっとりとした良質なタケノコを生産するため、定期的な竹林の管理や施肥を怠らない。
自宅近くにある20aの畑では、ジャガイモ、ダイコン、タマネギなどの野菜をはじめ、柿やスモモ、ミカンなどの果樹類を生産。「野菜や果物を買うことはほとんどないよ。食べたいものは庭でつくるから」と話すほど、品目が充実している。梅干しや干し柿などの農産加工品も自分でつくる。
平成24年には、温州みかんと八朔の交配種「スイートスプリング」の栽培にも新たに着手。常に新しい品目に挑戦する姿勢は、農業への情熱にあふれている。 |
愛樹会の会長に
20代半ばのころ、興味を持って始めた「盆栽」。以来40年以上、黒松、五葉松、楓など大小さまざまな作品を手掛けた。自宅の庭で常時60鉢近くが並ぶ自慢の逸品は、愛好家から定評のあるものばかりだ。
現在、地域の盆栽愛好家20人で構成する「愛樹会」の会長を務めている。毎月第1・第3日曜日には市内で盆栽教室を開き、せん定や植え替え、水管理の手法などを指導。展覧会の開催にも積極的で、平成24年5月に道の駅くるめで開いた「第2回久留米盆栽展」では2,000人を超える愛好家を集めている。
組合員とJAをつなぐ
平成17年4月、上津地区の農事組合長に就任。21年3月までの2期にわたって、毎月行われる会議には欠かさず出席し、JAや行政からの連絡事項を地区に伝達。組合員とJAをつなぐ重要な役割を担った。
24年4月に再任され、現在、通算で3期目。上津地区の農業振興のために力を尽くしている。
土と水と愛情を注ぐ
「盆栽にも農業にも言えることだけど、育てていると愛着がわいてくる。成長が楽しみになって仕方がない」と話す博之さん。適度な土と水の管理、そして何よりも“愛情”を注いで育てることが信念だ。
「かわいがった分だけ返してくれるから」と語る言葉に、優しさがにじみ出ている。
|

手塩に掛けて育てた盆栽を披露する博之さん |

趣味はアンティーク時計の収集。
自宅にはコレクションがずらりと並ぶ
|
|
|