
がまだすファーマー!
最高の品質を追い求めて
藤光町 今村 晴義さん・スマ子さん
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二人三脚で歩む農の道
「今年は色付きが遅いかな。これからの管理が大事になってくるね」と、手塩に掛けたブドウの生育経過を語る晴義さん。電器関連の会社を61歳で退職後、専業農家に。JAぶどう部会の一員として、妻のスマ子さんと二人三脚で農業に取り組んでいる。
ピオーネの導入を先導
ブドウ生産を導入したのは、晴義さんの在職中、今村家の農業経営を支えて来たスマ子さん。近所のブドウ農家から学びながら「ベリーA」などを生産し、晴義さんは休日を利用して農業に汗を流してきた。
昭和63年、藤光町の農家4軒共同で当時の新品種「ピオーネ」の導入に着手。四国、近畿地方のブドウ産地へ何度も視察に行き、手探りで生産技術を学んだものの、最初は実止まりの悪い“バラ房”ばかり。生産者同士で毎日のように話し合い、JA職員、久留米普及指導センター職員の助力を受けながら、徐々に栽培方法を確立してきた。生産基盤となる土づくりを重要視し、2、3年周期で定期的に土壌分析を実施。収穫終了後には牛ふん堆肥を投入し、地力の向上を図っている。
平成19年には、青ブドウ系の新品種「瀬戸ジャイアンツ」の生産を開始。「デリケートな作業が求められる品種。難しいけどやりがいはある」と、同じ青ブドウ系の「シャインマスカット」なども試験的に生産し、今後の品種転換も視野に入れる。
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惜しみなく注ぐ愛情
ブドウと向き合う時の厳しい表情はまさに“職人”。そんな晴義さんにもなかなか改善できないことがあると言う。「自分の子どものように思えて、かわいそうでね。玉落としの時に、なかなか実を落としきれんのよ」。照れくさそうに頭をかく姿に、ブドウに注ぐ愛情の深さが垣間見える。
「自分で『納得のいく品物が出来た』と思ったことはない。2人でゆっくり、楽しみながら最高の品質を追い求めていきたいね」。そう語る2人の表情は、ブドウが旬を迎えるこれからの季節を心待ちにしているように見えた。
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生育状況を厳しい目でチェックする晴義さん |

袋掛け作業にいそしむスマ子さん |
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