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酪農への熱意
「とにかく牛が好きやった。小さいころからずっとね」と、就農のきっかけを語る清さん。高校卒業後すぐに就農の意思を父に伝えたものの、当初は反対され精肉業者に就職。会社務めの合間に酪農を手伝ううち、その熱意が認められ、「中島牧場」の2代目となった。
妥協のない経営
清さんが経営の中で重要視しているのは、「環境」「飼料」そして「乳牛改良」。「どれか一つでもおろそかにしてはいけない。三つ全てを高いレベルで行うことが必要だ」との言葉通り、牛舎内の換気扇の増設、より高品質な牛床マットへの入れ替えなど、設備投資を継続的に実施。稲発酵粗飼料(稲WCS)の生産にも着手し、飼料コストの減少にも取り組んできた。
さらに「他産地のいい牛を導入しても、この環境に合うとは限らない。この環境で育った牛をより発展させていくべき」との方針から、育成牛を立派な乳牛に育て上げると共に、乳牛の中でも優れた血統を見出して乳牛改良を進め、牛の個体能力を向上させてきた。その結果、現在では全116頭中113頭が自家産牛。安定した経営の基盤となっている。 |
後継者と共に
そんな父の背中を見て育った息子の康森さんも、自然と酪農の道を選んでいた。北海道の酪農家のもとで1年間の研修を経験した後、「中島牧場」で就農。「小さいころから牛がいるのが当たり前で。牛が好きな気持ちでは負けません」と、懸命に父の背中を追っている。
「自分が就農したころと比べ、酪農家の経営は確実に厳しくなってきている。これから先、しっかりとやっていってもらいたいね」と、清さんも温かい目で成長を見守っている。
仕事が趣味
頼れる後継者の存在からか、「引退したら何を趣味にしようか・・・」。その先がなかなか出てこない清さんに「仕事が趣味みたいなもんやろ」と、康森さんが一言。「お手伝いで雇ってもらうか」と、清さんの大きな笑い声が牛舎に響くと、奥から牛たちのうれしそうな鳴き声が聞こえてきた。
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看板の下で康森さん㊧と一緒に
情熱の赤がよく似合う |

搾乳は朝夕2回
毎日欠かさず行う仕事だ |
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